2025/11/27 08:27
岐阜は美濃加茂、中山道太田宿にある本屋HUT BOOKSTOREさんにお邪魔した。
綺麗で洗練された空間に、こだわりの本が並ぶ書店。


そのHUTBOOKSTOREさんで今回出会った一冊。
『台所珈琲の手びき』である。
これが何とも味のある、素敵なZINE。
背伸びをしない、身の丈に合った、生活の中にある「台所珈琲」の作り方の手引書。
私自身はもうコーヒーがないと生きていけない体になっている。
しばらく飲めないと、もうダメ。
常にドラッグストアやスーパーに売っている、900mlのペットボトルコーヒーをブラックのまま、コップに注いでガブガブ飲む生活をしている。
そんな中、豆から挽いたコーヒーを自分で作って飲む機会があった。それがとっても美味しく感じて、今まで飲んでいたものは一体何だったんだろうと驚いたのだ。
すぐにミルとサーバーとドリッパーと豆を購入したものの、いまいち正しい淹れ方が分からず困っていたところに、この『台所珈琲の手びき』との出会い。これは運命である。

とにかくこの手引書に書かれているとおりにやってみる。大事なのは「分量」と「時間」らしい。
スケールを準備して、豆の量は25gで、湯は豆の16.5倍の量にあたる412gを用意して、時間は全部で3分間で、アイスコーヒーにしたいからできあがり量の半量の氷を準備して、それから……それから……??



ぜんっぜん書かれていたとおりにできなかった。
それでも、この本の何がいいって、とにかく優しい。
さて、いざ注ぎ始めると、せっかく頭に入れた話がバラバラになって、さっぱり吹き飛ぶかもしれません。それでよいと思います。ふだんの生活のなかで、何度もくり返すことによって、そのうち自分にとっての「ちょうどいい」が形になることでしょう。自分でつくっていくということが、生き生きとした、穏やかで愉しい時間になることを願っています。その感覚はきっと、生活の細部にも注がれていきます。
初心者がうまくこなせないことなんてお見通しされていた。
この本、とにかく滅茶苦茶丁寧にコーヒー作りの説明がされている。
それでも慌ててしまうのは、私の不器用さに問題がある。
「分量」は守れたが、「時間」を守るには繰り返し練習が必要なようだ。
なにせ手際が悪い。

ところが飲んでみると美味しい。
毎日の楽しみがひとつ増えたのであった。
この本、税込価格660円なので、ちょうどスタバの一杯分を一度我慢して読んでみてはいかがだろうか。
自分の生活を豊かに変えてくれる、いい本に出会った。
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